【3015 ストレッチサイクルショートパンツ】
先週は新作の「3171 Furyuショートパンツ」が入荷しておりますが、その違いに「?」という方もいらっしゃるかと思います。
そこで、今回は形は同じだがその実全く違う二つのパンツを比較します!
形は同じでも、こんなに違う。
2005年の登場から、実に15年近く作り続けているリンプロジェクトの人気No1商品が「No.3015ストレッチサイクルショートパンツ」(以下3015)です。【3015 ストレッチサイクルショートパンツ】
一方、その素材違いのバリエーションとして2016年にラインナップに追加された「Furyuショートパンツ」(以下Furyuパンツ)も夏の人気商品として定着しています。
【3171 Furyuショートショートパンツ】
形は同じですが、素材が違うことにより使い勝手にも大きく差が出てくるのです!
素材の良さが違う
3015の素材は30sバーバリーストレッチ。【30sバーバリーストレッチ】
表面に光沢のある上質な綿糸を高密度に織ることで、表面が滑らかで上品な光沢がある生地ができあります。この、やや薄手でパンツやジャケット等にもよく使われる基本中の基本素材が30sバーバリーです。
しかも、緯糸にポリウレタン糸を使うことで、細めのシルエットに仕立てても動きやすいことが特徴。
薄手ですが、強撚糸、つまり強く撚った糸を使っているため厚みのわりに強度があるため、私の場合は9年前のものを引っ張り出してきても十分履けてしまいました。
一方で、Furyuパンツの素材はFuryu fabric。
【Furyuファブリック】
特殊な染色方法で平坦な生地表面に染めムラをあえて作ることで、麻のような立体感が有るように錯覚させるポリエステル素材です。
そもそもポリエステル繊維の表面はツルツルしているため光沢が出やすいのですが、染めムラがあることで光沢が抑えられ、機能的でありながらもナチュラルな印象を持たせることができました。
更に、綿よりも汗や紫外線による変色が少ないというメリットもありますが、綿のように色落ちによる風合いの変化(=エイジング)をする楽しみに乏しいとも言えます。
着用感が違う
【3015ストレッチサイクルショートパンツ】
3015は綿のもつ肌触りの良さ、そして、ポリウレタン糸による非常に優れたストレッチ感が魅力です。
綿は数ある繊維の中でも吸水性に優れているため、汗をかくとすぐに肌の表面の水分を繊維の中に吸い上げます。
しかし、やや薄手の30sバーバリー素材は体温や風で乾いていることも多く、ヘビーウェイトのTシャツのように濡れたら濡れっぱなしというわけではありません。
Furyuパンツの素材はポリエステル100%。
綿と違い、繊維一本一本は水分を吸い上げない特徴があるため、非常に優れた乾きやすさが特徴。
【Furyuファブリックを光にかざすと隙間が目立つ】
更に、糸と糸の隙間が若干開いているために通気性に優れています。
ポリウレタン糸程ではありませんが、糸そのものがじわっと伸縮し、体の動きを妨げません。
どちらを選ぶか、それが問題だ
普段使いなら3015。旅ならFuryu……と言い切れないところが悩ましいのです。
Furyuパンツは機能的。
シワになりにくく、軽く、乾きやすい。
6月の北海道を雨の中走っていましたが、上半身はレインポンチョやレインジャケット、下半身にFuryuパンツ、そしてメッシュのスニーカーで十分でした。
水を吸わない素材なので濡れたときの不快感が少なく、雨が上がってポンチョを脱いで走り出すと1時間もしないうちにすぐに乾いてくれる。
真夏にだらだらと汗を滴らせながら宿に到着し、コインランドリーや部屋のお風呂で洗濯しても翌日には乾いている。しかもシワが出にくい。
旅で使う頻度は高いです。
3015は綿素材。
足を通した時の肌触りの良さ、紫外線や摩擦で色褪せてくるという風合いの変化も含めた「風合いの良さ」があります。
しかもストレッチ感の良さはFuryuパンツよりも優れており、動きやすさはこちらに軍配が上がります。
綿だから濡れたら乾かないと思われがちですが、生地の薄さが良い仕事をします。
ポリエステルは、実は石油製品のため油を吸着しやすいというデメリットがあり、汗の水分は蒸発しても皮脂成分が残って臭いやすいため、酸素系漂白剤でケアしないと、どんどん汚れをため込んでしまいます。つまり、綿の方が臭いが残りにくく、洗濯後に気持ちよく着られます。
乾燥する時期もポリエステルのように静電気の悩みとは無縁です。
機能面だけを見るとFuryuパンツに劣るところも多いですが、感性に訴えかける「気持ちよさ」が高いので街でも旅でも、通年で考えると3015の着用率のほうが高いような気がします。
結局どちらが良いの?
3015 | Furyu | |
動きやすさ | ◎ グイグイ伸びる | ○ 無理なく伸びる |
肌触りの良さ | ◎ 優しい肌触り | △ 硬く感じる |
風合いの良さ | ◎ 上質な綿の持つ風合い | ○ 天然風で悪くない |
通気性 | △ 防風性高めの高密度織り | ◎ 繊維の隙間が広め |
乾きやすさ | ○ 薄手なので意外とすぐ乾く | ◎ 抜群 |
シワの出にくさ | △ 膝の裏などが出やすい | ◎ ほとんど出ない |
軽さ | △ 300g(Mサイズ) | ○ 270g(Mサイズ) |
臭いにくさ | ○ 洗えばさっぱり臭い残らず | △ 皮脂汚れが残りやすい |
サイズ展開 | ◎ XS ~ XXL | 〇 XS ~ XL |
どちらがいいかと言われると、どちらもいいので両方と答えたいところですが、まずは15年の実績を誇る3015の質感と動きやすさを体感し、次にFuryuパンツの機能性を旅で感じてみてください。
いやいやしかし、今年のFuryuパンツは、昨年までの和をイメージした「ネイビー」や「絣ブラック」から一転し、コーディネートしやすい「ベージュ」と「グレー」のカラー展開のため、2020年はFuryuパンツの稼働率が上がるかもしれません。
どちらのパンツも熱い時期はもちろん、寒い時期はタイツやレギンスと組合わせることで一年中使える汎用性の高さは同じなので、心に刺さった方をお勧めします。
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