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2010/12/20

女性のための輪行自転車 "r-girls"

自転車遊びの基本というのは、輪行にあることは
もう言わずと知れた事実ですが、
まだまだ輪行は難しいものだと思われている方が多いのも、また事実。
特に、女性のかたに。

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今回ご紹介するのは、その女性に難しい輪行を、
「やり方をおぼえる」のではなく、
「私たちでも、輪行しやすい自転車を作っちゃう!」
という方法で、クリアしようとしている女性、そして
それを手伝う、天才自転車ビルダーのお話。

そもそもは、身長153センチの女性、Kco(ケーコ)さんの
わがままから始まったようです。

『長い距離を乗れない、そして
自転車を輪行すると大きくて重くて運べない
背の低い女性(私?)のための、
輪行しやすい自転車を作って欲しい』と
あるビルダーに頼みました。

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Kcoさんと、そのフレームビルダーの方は、
今年1月に行われた、『ハンドメードバイクショー』で出会ったそう。
http://keiko616.blog117.fc2.com/blog-entry-9.html

ブログも行きましたよ。これですな。
http://rinprojectnews.blogspot.com/2010/02/blog-post_22.html

で、その天才ビルダーとは。

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シルクサイクルズの荒井さん。 

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ジャイアント・ジャパンの取締役として活躍していた時に、
名作折り畳み自転車として、世界中で長く売られている
MR-4>を作った荒井さん。
でも、本当に作りたかったのは、この700C サイズの折りたたみなんだって。

これも見てみて。荒井さんの天才っぷりが見てわかるから。
http://www.cyclowired.jp/?q=node/16801
http://www.cyclowired.jp/?q=node/17467


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さて、話を、女性用の輪行自転車、
その名も『ポーターシルク406』に
もどしましょう。
そのコンセプトなど詳しくは、
http://keiko616.blog117.fc2.com/blog-entry-178.html
こちらのホームページに載っています。

『簡単に折り畳めて、
キャリーバッグのように転がせる
持ち歩かなくてもいい、
軽い、自転車』というのが、その意訳。

ところが肝心な、どうやって折り畳めるのか、という
ところが、うまいこと書かれていない。

そこで、「いったい、荒井さんは、
どんなものを、作ったの!?」というのを知りたくて、
実際にお会いして、折り畳む様子を、
見せてもらうことにしたのです。

いや、これが、いたって、簡単。

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折り畳んだ状態から、自転車に戻るまでの過程を。


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フレームの中に『挟まれていた』前輪を引き出し、
フォークの下の部分を、ヘッドチューブに入れる。


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そして、ステムを差し込んだら、

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このグルグルタイプの取っ手を使って、


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グルグルグルグル、と締める締める。

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あとは、いすを調整したら、完成。
以上です。チェーンに触ることもなく、
手が汚れることもなく。
これが、荒井さんの考える、女性のための、輪行自転車。

グルグル取っ手、ってのがいいよねー。
初めて見たとき、大声で笑っちゃいました。
アーレンキーじゃないんだー、って。
そう、アーレンキーじゃないんだよ。これ、本当に大切。

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フレームが、こういう複雑な形をしているのも、
フォークを抜いた前輪ごと、このフレームの間に挟み込むからなのです。
その必要があって、こういう形をしています。

で、実際に乗ってみました。しっかり走ります。
スチール製で、フレームに折れ曲がる箇所がないので、
当たり前ですが、ものすごく、しっかりとした乗り心地です。

それなのに、ダウンチューブとチェーンステーが生み出す
振動吸収感がかなりいい感じ。細かな振動を吸収しつつ
大きな振動では大きくゆったりしなるという、
鉄フレームならではの乗り心地。

フレームが折れ曲がるタイプの折りたたみ自転車にありがちな
フワフワする感覚とアルミのキチキチした感じがないのも
好印象でした。

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しかも、軽いのです。そして、薄いのです。
女性でも、軽々持てます。人ごみの中でも、
薄いので、あまり邪魔になりません。

これからの改良点としては、

1)袋がかわいくないので、もっとかわいくする。
2)後輪のブレーキをワンタッチで止まるようにして、電車の中で、立てて持っておけるようにする。

の2つ。

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伝統ある『シルク』のヘッドマーク、
そして『片倉シルク』のステッカーも
張られています。

シルクサイクルズと言えば、『片倉シルク』に代表される
ノスタルジーを求めるファンも多いみたいです。

でも、昔のシルクサイクルのイメージを懐かしむ、というより、
荒井さんの、伝統を大切にした先鋭アバンギャルド=天才っぷりこそ
高く評価されるべきだと思います。

自転車は、最近の人が、最近の乗り方に会わせて
伝統と知識と経験に基づいて作ったものの乗り味が、
やっぱり気持ちいいんですよ。自転車の物理は変わらなくても、
人の乗り方は、時代によって、変わっていますから。

自転車は、見た目でもブランドでも素材でもなく、
乗ったときの乗り味、そして使い勝手がどうなのか、
というところが、一番重要なのですね。
特に自転車の画一化が進む最近は。

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繰り返しますが、このグルグル取っ手だけで
自転車が輪行できてしまうというのが、すばらしい。

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これが、現在、『世田谷ものづくり学校』内にある、
<R自転車集団>の工房。
今年の頭までこちらにアトリエを構え、
『トールバイクの作り方』みたいなことを教えたり
自転車の販売をしていたのですが、
現在は、自転車のメンテや修理などのワークショップのみを
行う場となっているようです。


『トールバイク』ってのは、その名の通り、
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こんなぐあいに、背の高い自転車のこと。
(これは、シアトルで見かけたトールバイク)

2台のフレームをつぎはぎして作る
おかしな自転車です。
ごくたまに、見かけますよね。
乗った友達いわく、「けっこう普通に走りますよ」だって。
そろそろ、日本の雑誌とかでも
取り上げられるようになると思います。


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ん? なんか思い出したぞ、
このフォークのやり方、どこかで見たことあるなと思ったら、

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今年の2月、日本の『ハンドメードバイクショー』で、
荒井さんが講義をしたときに、

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これだっ! そういえば、見てたっ! 知ってたっ!

ステムのクランプボルトを、
女性にもなじみのある
グルグル取っ手にしちゃったってのが、
さすが荒井さん。

と、後で荒井さんに言ったら
『そうだよ、いいだろ、これだけで、
ぜんぶ済んじゃうんだぜ』
って。

まさに天才の天才たるゆえん。頭の中身がいい意味でへん。

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お問い合わせは、シルクサイクルズ、あるいはr-girlsまで。


Kcoさんに、そして荒井さんの作品に引き合わせてくれた、
stk(サトコ)さんに、あらためてTHANKS!