僕たちは無事インターバイク初日を終え、クタクタのままホテルに帰った。
今日は早く寝よう。
そう自分に言い聞かせ、眠い目を擦りながら部屋のドアーにカードキーをさす。
いくらさしても開かない。
エラー表示。
部屋に入れないのだ。
コイチロさんはもうドアの前でグッタリだ。
「おいロッキー、チェックインカウンターへ1人で行ってきてくれ。おれはもうクタクタだ…」
「ノーワーク、ちぇんじぷりーズって言えば大丈夫だから…ガクッ」
と、言い残しその場で倒れこんだ。
ドキドキしながらカウンターで事情を説明するとすんなり対応してくれた。
カウンターの若い男性は日本料理の中でスシと明太子とバサシが好きなんだと教えてくれた。
馬刺かー。ずいぶんマニアックだなーって言えるまでの語学力が僕には足らなかった。
男性は笑顔でもう大丈夫だぜってカードキーをくれた。
助かった。
これで無事部屋に入れたわけだが、現在サンフランシスコに泊まるはずのホテルを急遽キャンセルする事になった。
理由はそのホテルがダニとシラミで超有名だとサンフランシスコに住むコイチロさんの友達が教えてくれたからだ。
さすがローカル。頼りになる。
やはりネットよりローカルだ。
シラミに卵を種付けでもされた時にはとてもじゃないけど日本には帰れない。
だって、なんか浮気したみたいでやじゃん。
知らない人の子が頭にいて、日本で産んじゃうとかつらいじゃん。
んで、今ホテルを探している真っ最中というわけだ。
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