当日までの天気予報がコロコロ変わった10月27日(土)〜28日(日)に千葉県は南房総、金谷港の目の前にある金谷美術館内を会場としたヴィンテージバイクのサイクリングイベント、フェッロマリエモンティが開催された。
「フェッロ ・マリ・エ・モンティ」はイタリア語で「スチール(Ferro)、海(Mari)と山(e Monti)」という意味で“スチール製の自転車に乗って、海と山を越えよう”というコンセプトであり房総半島の大自然を表現している。
そして結果二日間とも良い天気!
主催のマルコさんは、みなさんの日頃のおこないが良いからですとひたすら連呼していた。
晴天を喜ぶマルコ氏。
2017年の開催は嵐の為ライドイベントは中止になり、今年はこれでもかと言うほど良い天候に恵まれた。
2017年は嵐の為ライドイベント中止(涙)それでも自転車に乗って帰る英雄も・・・。
さて毎年2日間の開催であるが大会前日はヴィンテージマルシェやメカニックサービス、前夜祭が開催される。
ヴィンテージマルシェでは、ヴィンテージパーツの販売のみではなくウエアや雑貨、本などなんだかウキウキするような物が並び、ぼくは各出店ブースに何度もホリに行くこととなった。
隣接する金谷美術館では、なまこ壁の蔵でジロ・デ・イタリアの日本未公開ドキュメンタリーの上映会が開催されていた。
100年以上前の蔵の中で畳の上に座って観る映画もまた風情がありうんと良い。
実はぼくが密かに楽しみにしている事は、参加者は金谷美術館に無料で入場できるという特典である。
今回は猫をテーマにした「金谷美術館流 南総里見八猫伝(はちにゃんでん)」が12月24日まで開催中だ。お手洗いのマークから黒ひげまで全て猫だ。
今回の内容は大変POPで大人から 子供までうんと楽しめる内容となっている。
観覧が終わったら目の前にある金谷港で猫になった気分でアジを食べるといいだろう。これ又、うんと旨いので。
かわいい・・・
うっとり・・・
トイレのマークも猫娘に・・・
今年は諸事情により参加を見送ったが金谷探検サイクリングも開催された。金谷美術館のオーナーが地元のステキな所に誘ってくれるポタリングである。去年、ずいぶん楽しかったので今年も参加したかったのだが、出店と撮影を同時にこなしていたので、涙を飲んで参加を見送った。来年は是非参加したい。
金谷探検サイクリングから戻られた参加者さん達。楽しかったようで羨ましい!
ぼくがこのイベントでもう一つ楽しみにしている事は金谷港の夕日だ。
天気が良ければご覧の有様である。
段々と橙色に染まり、富士山のシルエット見え始める。
更に濃紺の空が橙色を浸食し始める。この時が一番萌える。
夜は毎年恒例の前夜祭だ。会場は金谷美術館から徒歩2分の「THE FISH」である。
地の物をたっぷりとバイキング形式で頂き、参加者同士の交流の場でもあり、お楽しみ抽選会も開催される。
前夜祭の受付ではタキシードに着替えたマルコ氏がお出迎え。
撮影を止めてぼくも"食べる"に徹したい。
カンビオ工房のジャイアン氏によるディレーラーの歴史なども公演される。
お楽しみ抽選会名物アイチ醤油の袋。この中に幸運くじが入っている。
ヴィンテージバイクのカレンダーが当たり、満面の笑みがうんと微笑ましい。
激レアのMASIのヘッドパッチが当たり大喜びの参加者さん。
宴もたけなわでございますが、前夜祭もここでお開きとさせて頂き、ぼくたちは
会場から、ここでも会場から徒歩2分の宿「金泉館」へ向かう。
こちらのお宿はフェッロマリエモンティオフィシャル宿であり、参加者も大勢宿泊されている。そして宿のスタッフはライド当日は運営スタッフとして参加してくれるのだ。
創業から40年以上続く民宿をリフォームしモダンで非常に居心地の良い空間となっている。金谷で宿泊の際には是非ご利用いただきたい宿である。隣がコンビニという立地も◎
温泉に入り、ライド当日を楽しみに眠りに就く。
28日(日)ライド当日。実に良い天気の朝である。
金泉館のオープンスペースでは準備万端な参加者達が受付の時間までコーヒーを飲みながらゆっくりと過ごす。
前章でも述べたように、徒歩2分なので余裕を持って、会場まで移動ができる。
会場にはすでに大勢の参加者が到着し、出走時間まで毎年このイベントで会う参加者達が
久々の再会に喜び、メカニックサービスを受けたり、このイベントのみでしか出さない貴重な自転車の写真を撮ったりと、朝日が眩しい会場はまさに非日常の空気感に包まれていた。
当日受付に並ぶ参加者さん達
たくさんのヴィンテージバイクも並ぶ。クロモリは美しい。
朝一でリンプロジェクトのメッシュグローブを買ってくれた仲良しご夫婦。いつもありがとうございます◎
サポートカーの軽トラックもオシャレして準備万端だ!
コルサ・コルサさんによるプロのメカニックサービスも受けられる
集合写真を撮っていざ出発だ!
スタートはロングコース(100km)のヴィンテージバイククラスからの出発となる。
ちなみにミドルコース(65km)も用意されている。
ヴィンテージウエアに身を包む。ハンドル周りのボトルも栓がコルク。
サポートカーと一緒に第一陣がスタート。
出走して10秒の金谷美術館前は異国情緒漂う空気感。
約100歳の自転車が3台も並ぶ。こんな光景はなかなかお目にできるものではない。
結局ほぼ全員のスタートを見送り、そろそろ撮影班も行かなければという事で
急いで車に乗り込んだ。今回の撮影カーはなんとベンツのゲレンデ。
生きているうちにこの車に乗れる日が来るなんて・・・。
幸せを噛みしめて助手席に乗り込む。記念に写真を撮っていただいた。
まずは第1エイドステーション鴨川市の「ふたぱん」を目指す。
会場を出て海沿いの127号を南下し、保田交差点から34号に入り
鴨川市方面にまっすぐ進んで行く。
34号に入ると極端に車は少なくなり、大変走りやすくなるが、そのかわりじわじわとのぼり始める。
富津市に入る頂上付近。ここは奥の紅葉が素敵なお気に入りスポット。
南房総はオートバイのツーリストも多い。坂はきついが景色の良い道を進む。
こんなグニャグニャした道も・・・
きびしい登りとゆるいくだりを繰り返し、スタートから約25km地点のエイドステーションに到着する。先頭集団はとっくに通過したようで、車でもまったく追いつけない状況だ。
「ふたぱん」では天然酵母のおいしいパンを良い景色を拝みながら食べる事ができる。工房直売店なので、出来立てのパンを食べる事ができた。車に乗っていてもお腹は空くのである。皆おいしいパンを噛みしめ良い笑顔だ。
遠足のようなほのぼのとした雰囲気。芝生に座って食べるパンはうんとおいしかった。
「新しいパンが出来たよー」と続々とパンが運ばれてくる。
ふたぱんのおねえさんも良い笑顔。
お腹もいっぱいになり、元気を取り戻したところで第2エイドステーション
「里のMUJI みんなみの里」を目指す。たいした距離ではないが、フェッロマリエモンティ名物のダートコースが待っている。そして景色の良いコース作りをしている為、みんなみの里までは意外と遠く感じられた。
第2エイドステーション「里のMUJI みんなみの里」ではみかんと枝豆のスープをいただいた。枝豆のスープは香りが良くまろやかで本当においしかった。おかわりしたいところであったが撮影時間がおしている事もあり、泣く泣く断念。去年ここの市場で買った地元産巨大シイタケがめちゃくちゃ旨かったので、それも買いたかったがそれも断念(涙)デカければデカいほど旨いと地元のおじちゃんに教えてもらい、ホンマかいな!?と思って買ってみたところホンマであった。おススメの調理方法はシイタケバターステーキだ。
さらに地元情報いっぱいのローカルラジオ「かずさFM83.4」さんも駆けつけ、インタビューを受ける参加者さんもいた。生放送という事でインタビューを受けた方はドキドキだったであろう。
甘いみかんをたっぷりいただく。
口いっぱいに広がる濃厚な甘みと香りの枝豆スープ
ラジオの生放送インタビューまで時間があったのでリハーサルをしてもらった(笑)
この先はロングコースとミドルコースの分岐点があり、我々撮影班はロングコースの
第3エイドステーション「知蔵寺」を目指す。
知蔵寺までの道のりは極端なアップダウンも少なく山道から抜け出し、久々に空の広い穏やかな道が続いた。途中のダートコースの道幅が狭く、車が曲がり切れず長い道のりをバックして戻るというアクシデントも発生したが、今となっては良い思い出だ。登りと言えば知蔵寺の入り口が壁のような上り坂で、それを見た走者の心がポキリと折れる音が良く聞こえた。
所々に見られる紅葉がひときわキレイである
開けたストレートがうんと気持ちい
久々に山から抜け出し、広い空が広がる
細くて背の高い竹が壁のようですごい威圧感であった。
知蔵寺入口。重たいギアで登る英雄。
知蔵寺では住職がたくさんの食べ物を用意して待ってくれていた。一見無口そうに見える住職であったが、実はユーモアたっぷりでとても優しい方だった。住職自ら押してくれるチェックポイントのスタンプには何やら温かみと不思議なパワーをもらえたような気になり大変ありがたみを感じた。補給食が盛られた軽トラックには手書きで「FooD AiD」と盛大に書かれていた。これは軽トラックの後ろが綺麗ではなく、何か物足りなさも感じ急遽住職が用意してくれたようだ。なんだかとってもホッコリする。寺の子もおばあちゃんと一緒に自転車の練習をしていて、それもうんとホッコリであった。
激坂登りきり続々と知蔵寺に到着する参加者達
たくさんの食事を用意して待ってくれていた住職
チェックポイントシートが御朱印帳のようだ
体に優しい住職特製補給食
FooD Aidに共感し記念撮影
知蔵寺に到着した参加者はここでかならずニンマリ
我々は住職に礼を言い、知蔵寺を後にし第4エイドステーション「勝善寺」を目指す。
エイドステーションが寺から寺という何とも風情のあるコース取りがフェッロマリエモンティらしさでもある。
知蔵寺からは県道258号、88号をひたすら北上し、89号を内房の方へ走ってゆく。
ここからはまた急な上り坂が続き、参加者達の苦しそうな表情をたくさん撮るつもりであったが、カメラに気づくと皆さん笑顔になり、結果ほぼ良い笑顔の写真ばかりになるというのは毎年の事であるが本当にありがたいことだ◎
リンプロジェクトのカスクとグローブ!ありがとうございます!
リンプロジェクトのカスクとグローブ!ありがとうございます!
もうすぐ頂上からの
苦しい表情からの
ビックスマイル!(カスクとグローブがリンプロジェクト!)
少し宣伝してしまったが、長いアップダウンが続き、ようやく勝善寺入口まで辿り着いた。ここはミドルとロングコース最後のエイドステーションであり、入り口付近で大勢のミドルコースの参加者たちとすれ違った。初参加の方はきっと、エイドステーションはこの道で合っているのかと首をかしげるだろう。なぜなら急に道が狭く暗くなり、山の方へ登り始める。登り切ると、山の中にポッカリと穴が開き、そこだけに日差しが降り注ぐ勝善寺が現れるのだ。勝善寺では毎年おなじみの元気なスタッフが出迎えてくれる。とにかくみんな元気だ。お稲荷に甘い和菓子やレモンティーを補給しつつ、元気まで分けてもらえる。3年前に自走して撮影をしたがここで飲んだレモンティーは市販のものではあるが、ビックリするほどおいしかった記憶がこびりついている。
山々に囲まれた勝善寺
とにかく元気な勝善寺のスタッフ。ステキだ。
疲れた体に甘いものが身に染みる。
元気も分けてもらい笑顔になる。
勝善寺で昔使用していたとびきり古い瓦が庭園の壁として再利用されている。
そしてとびきり人懐こい猫ちゃんもお出迎えしてくれる。
レースイベントではないので、皆それぞれに疲れを癒し、自分のペースで勝善寺を後にする。ここからゴールの金谷美術館までは約12km。時間も15時前なのでそろそろ出発しなければならない。ロングコースの先頭集団は14時頃にはゴールしていたというから自転車は本当にすごい乗り物である。ヴィンテージと言えども侮る事はできない。先頭から30分遅れで車でスタートしても結局、追いつく事は出来なかったのである。
ここからは海沿いに出て北上し、金谷美術館を目指すのみとなった。
久しぶりに見る海はイベント名であるスチール(Ferro)海(Mari)と山(e Monti)を完全制覇し、日が傾きかけた海面はキラキラと輝き走者を包み込む。もうすぐゴールと言うさびしいさも背負いながら走るのだ。
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我々撮影班も15時半に会場に到着し、これから続々とゴールする参加者を
待つことにした。この時点ですでに半分以上の参加者がゴールしていた。
会場では最後のチェック(マルコさんのサイン)と完走書をもらい、お買い物を楽しみ、記念撮影をし、思い思いに過ごした後にパラパラと解散していった。
マルコさんはこの日の為に買ったというチェキ(ポラロイドカメラ)でゴールした参加者を撮影しお土産に差し上げていた。夕陽の光とフィルムが参加者達を優しく写しこんでいた。記念にぼくも撮ってもらった。
完走書を受け取る仲良しご夫婦。いつも一緒に参加されていてとても羨ましい!
最後のチェックはマルコさんのサイン
ゴール時、ハイタッチでお出迎え。結構嬉しい瞬間。
チェキのお土産
恒例の記念撮影。また来年もここで撮りましょう!
日が沈む前に旦那さんと一緒にゴール。とても感動的でした。
最後に
ご参加された皆様、撮影に協力していただきありがとうございました。皆さん良い笑顔しかしてません。運営スタッフの皆様、撮影カーを出してくれたK様、本当にありがとうございました。それからぼくのネームプレートを作ってプレゼントしてくれた、ぼくが大好きなSご夫妻様、ありがとうございました!一生大切にします。そしてマルコさん、ステキなチェキとメッセージ最高の思い出になりました◎
それでは皆さん来年もお会いしましょう!